常夏の青い空、美しい海とが沖縄のイメージですが、冬は肌寒さを感じる季節です。冬としては厳しい寒さはないものの、1月は寒さの底でさすがに海水浴はできません。さらに、2月から始まるプロ野球キャンプを前にしてイベントも少ないとなれば、1月の沖縄には魅力が乏しいと思うかもしれません。しかし、1月ならではのおすすめスポットも存在します。1月に沖縄に出かける人が、知っておくと良い知識や、気候についての情報をご紹介します。
1月の沖縄は寒いの?
1月といえば、日本全国が冬真っ盛りの月です。沖縄もまたその例に漏れず、1年で最も寒い時期ではありますが、最高気温は17度前後、最低気温が10度前後と、東京でいうところの10月中旬から11月下旬程度の気温です。ただし、海風が北から強く吹くことがあるため、その場合は体感温度はもっと寒く感じるでしょう。
さらに、1月の沖縄での気温は日中と早朝・日没後では大きく変わります。天気が良く太陽が出ていれば、冬といえども日差しが強いため、暑さを感じて汗ばむこともあるでしょう。念のため日焼け止めなどを用意しておくと安心です。その反面、朝晩は冷え込みます。早朝から海辺の散歩や、遅い時間に外でのディナーを予定している場合などは、それなりの防寒対策が必要になるでしょう。特に、海沿いに出かける場合にはウィンドブレーカーなどの、風を通しにくい羽織るものがあると重宝します。
1月の海の状態とは?
沖縄で海水浴を楽しめるシーズンは、海開きの始まる3月末頃から10月中旬までと、かなり長い期間です。しかし、1月の沖縄の海は平均海水温度が24度程度で、北風が強く吹いて海が荒れやすいことからも、遊泳禁止のビーチがほとんどです。ただし、海は冬の方が透明度が高くきれいだといわれており、ダイビングをする人によっては、冬の海を好む人もいます。それはなぜかというと、水温が低いために海中のプランクトンが減少し、浮遊物が少ないため透明度が高くなるのです。また、ダイビングもオフシーズンであることからダイバーが少なく、ダイバーが泳ぎながら蹴り上げる砂が海中に少ないこともあるでしょう。
そのため、1月の沖縄の海の楽しみ方の1つには、オフシーズンならではのダイビング、シュノーケルなどのマリンレジャーがあります。その場合は、保温性のあるウェットスーツの着用が必須ですし、温水シャワーなどの設備が整っていることを確認しておきましょう。安全のために、天気や海風で海が荒れていないことをよく確認したり、プロの意見をしっかり聞いたりすることも大切なことです。もちろん、泳げない人や大がかりなことができない人でも、グラスボートや水中観光船に乗って、澄みきった海中のサンゴや熱帯魚を眺めて楽しむことができます。
海中に入らなくても、ビーチをゆっくり歩いて海を眺めるのもおすすめです。海風で寒いので、体が冷えないようにしっかり防寒対策をして出かけましょう。
1月におすすめのイベント3選!
1月の沖縄ならではのおすすめイベントを厳選してみると、ホエールウォッチング、与那国島のダイビング、八重岳の桜の3つが挙げられます。詳しくご紹介しますので、1月に沖縄旅行を考えている人は、ぜひチェックしてみましょう。
まず1つ目のおすすめはホエールウォッチングです。ホエールウォッチングとは、沖縄の海水浴のオフシーズンである12月下旬~4月上旬の期間にのみ楽しめる、冬の沖縄を代表するアクティビティです。シベリアの海域に生息する野生のザトウクジラが、出産と子育てのために温かい沖縄の海にやってくるため、遭遇率がかなり高いことで知られています。お一人様でも小さい子どもを連れたファミリーでも安心して楽しめるツアーです。ホエールウォッチングのツアーは、出発場所が那覇発・中部(北谷)発・北部発の3種類あり、サンゴの美しさで有名な慶良間諸島や、水納島・伊江島などで開催されています。ツアーの流れは、ライフジャケットを着用後、高速船に乗船しクジラガイドの案内を聞きながら3時間程度回遊して野生のクジラの生態を観察するものです。野生のクジラのジャンプや尻尾の跳ね上げなどは、間近に見ると迫力満点です。高速船はきれいでトイレなども完備されているので、安心して参加できるでしょう。注意すべきことは、決まった時間に必ずクジラを見ることは難しいということです。早く見つかればツアー自体も早く終わりますし、なかなか見つからなければその分長引くことになります。ご検討される場合は、時間にゆとりを持って参加することをお勧めします。
2つ目のおすすめは、与那国島でのダイビングです。与那国島は日本最西端の国境に存在する島で、美しい海と自然が豊かに息吹いており、独自の環境には見どころがたくさんあります。特におすすめなのがダイビングですが、未経験や初心者でもスタッフがしっかりサポートしてくれる体験ダイビングや講習などへの参加が可能です。ダイビングツアーは久部良港からボートに乗り、ダイビングポイントに移動します。与那国島のダイビングポイントで見られる名物とは、なんと海底に眠る遺跡です。どう見ても自然にできたとは思えない景観からは、まさに海のロマンが感じられるでしょう。透明度の高い冬の海では視界がクリアなので、非日常的な絶景は相当に見応えがあるはずです。
その他、光の宮殿などの美しいブルーに包まれた地形や、ハンマーヘッドシャークやジンベエザメ、クマノミや赤いイソギンチャクの群れなど、海の生き物たちも目白押しです。与那国島のダイビングなら、世界観が変わりそうなほどの神秘的な世界を目の当たりにすることができるでしょう。
最後に3つ目のおすすめは、八重岳の桜です。八重岳とは、沖縄本島の北部・本部町にあるお花見スポットで、約7,000本の桜が植えられています。桜はいわゆるソメイヨシノではなく、寒緋桜(かんひざくら)という鮮やかなピンク色の花をつける桜です。桜の見頃はかなり早く、まさに1月に一斉に開花します。ここでのお花見は満開の桜の下での宴会ではなく、主にドライブや散策をしながらが定番です。山道を挟むように桜が咲き誇るため、桜のトンネルの中をくぐってドライブすることができます。駐車場に車を置いて、ゆっくり散策もよいでしょう。
毎年「ひとあし、お咲きに。」のキャッチフレーズで知られる「もとぶ八重岳桜まつり」が開催されています。観光客だけでなく地元の人々も訪れ、土日にはパフォーマンスショーや出店もあるので、お花見らしい華やぎが感じられるでしょう。まつりの期間のみ、本部八重岳・桜大明神が登場し、参拝することも可能です。平日にはイベントがありませんが、混雑を避けながら落ち着いてお花見をすることができます。
1月の沖縄旅行での服装
1月の沖縄は、日中であれば長袖長ズボンだけで快適に過ごせる日が多いです。冬でも日差しは強いので、天気が良く風がなければ汗ばむこともあります。寒い地域から出発する人は、普段通りにダウンジャケットやブーツなどで着込んでいきがちですが、現地では必要がなくなって邪魔になってしまうでしょう。薄手のインナーや衣類、カーディガンなどを重ねて調節するのがおすすめです。汗対策に、インナーは吸水性の高いものを選ぶと快適に過ごせます。
ただし、寒さを感じる場面も多々あります。沖縄の寒さの原因はほぼ海からの北風です。日中でも海辺に出かける人は、海風対策にウィンドブレーカーや薄手のコートなど、羽織れるものを用意するといいでしょう。朝晩の気温も、日中とは比べ物にならないほど冷え込みます。しっかりした防寒具までは必要ありませんが、薄手の上着やストールなどがあると便利です。寒がりな人なら、耳まで隠れるニットキャップをかぶるのがおすすめです。とにかく、旅行中は出歩くことが多いので、こまめに脱ぎ着ができ、脱いでも持ち歩くときに邪魔にならないものがベストでしょう。
暖かい季節には沖縄ではビーチサンダルが万能ですが、1月ではさすがに寒さを感じることも多いでしょう。忘れずに靴下を持っていくようにし、靴と靴下はしっかり履いたほうがいいでしょう。それでもボア付きのブーツなどではムレて暑く、さらに場違いにもなります。スニーカーやパンプスなどを履いていくと動きやすいです。
1月にしかない沖縄の魅力を体感しよう!
沖縄好きな人の中には、海水浴やマリンアクティビティを重視する人も多いのではないでしょうか。そんな人にとって、海水浴のオフシーズンである1月は、沖縄旅行に不向きと感じられるのも無理はありません。しかし、むしろ1月でなければわからない沖縄の魅力もあるのです。ホエールウォッチングは冬の沖縄でなければ楽しめない海でのレジャーですし、ダイビングもオフシーズンだからこそ、冬の透明度の高い海でじっくりと堪能できる面もあります。ぜひ、その魅力を新しく知って、より深く沖縄の良さを体感してみてはいかがでしょうか。